ブルームバークによると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2020年度第1四半期(4-6月)に12兆円超の運用益を上げ、過去最高益を記録しました。
新型コロナウイルスによる経済悪化に対処するための世界的な金融緩和や財政出動を受けて国内外株式の評価額が膨らんだのが要因です。
4-6月期は、過去最大の運用損を計上した1-3月期から一転、過去最高の運用益となった。これまでの運用益は、16年10-12月期の10兆4971億円が最高でした。
今回の2020年4-6月期において、12兆円の運用益出たことによって、2020年1-3月期の18兆円の運用損の3分の2程回復しました。
ただ、今回もプラス運用になっているのに関わらず、特に報道等はなされていません。
今回のGPIFが巨額の運用益を叩き出した主な要因は、コロナショック後に大きく反発したことに加えて、暴落局面で株や債券を投げ売りせず、忍耐強く保有したことで戻り相場の恩恵を享受したためです。これは我々、個人投資家も見習うべき姿勢だと思います。
こうゆうことをマスコミ等で報道することにより日本においても「貯蓄から投資」が根付いてくると思います。
「投資はギャンブル」といっているのでは、安く買って高く売ることで利ザヤを稼ぐ人をいいますが、これは一握りの人だけが成功している手法であり、一般の人が真似しても再現性が低いので多くが失敗します。
株価はあらゆる情報を瞬時に織り込むと言われているため、一般の個人投資家が市場を出し抜くことはできないです。
そのため、税金や売買に伴う手数料を考えると、売買はなるべく控えて保有している方が良いのです。実際、コロナショックで株式市場が暴落したことで、投資家の中には二番底を警戒して、現金比率を高めた投資家も少なくありませんでした。
結局のところ、株価は2番底は訪れることはなく、株価は上昇し、現金比率を高めた投資家は、上昇相場の恩恵を受けることができず、大きな機会損失を被ったといえます。
長期投資においては相場を予測し、売ったり買ったりすることよりも、自分のリスク許容度の範囲内で、定期的に追加投資を行ったほうが、一般の個人投資家には合理的だと思います。
寄稿者:PM担当 大森一平