これまでアジアの金融の中心を担ってきた香港ですが、国家安全維持法の施行による政情不安が起こり、経済や治安の安定が不安視されています。
今年発表の国際金融センターランキングでは、香港は5位につけていますが、香港から拠点を移す企業が増えており、今後の先行きが不透明になっています。
1位 ニューヨーク
2位 ロンドン
3位 上海
4位 東京
5位 香港
6位 シンガポール
こういった事情もあり、アジア各国で「ポスト香港」を目指す動きが活発化しています。
先日、日本でも菅総理大臣が、「東京の発展を期待するが、他の地域でも金融機能を高めることができる環境をつくりたい」と述べ、東京以外の都市を金融の拠点にする考えがある事をにおわせました。
災害発生のリスクや新型コロナウイルス収束後の地域分散型社会をつくるという点からも期待されがされています。
そこで注目される都市が「大阪」と「福岡」です。
大阪の動き
大阪府の吉村洋文知事は、先月の記者会見で「国際金融都市としての地位を確立するのは非常に重要なことで、大阪がアジアの金融都市の中心地を占めるのが目指すべき姿だ」と訴えました。
SBIホールディングスと提携し、大阪と神戸で国際金融都市の設立を目指しています。
候補地には、舞洲、六甲アイランド、伊丹空港(周辺)などが噂されています。
福岡の動き
元々、次世代サービスの導入などに行政側が積極的なこともあり、
スタートアップ企業やベンチャー企業が誕生しやすい街ですが、
先月、福岡市や地元企業など産官学で外資系金融機関の誘致を目指す
推進組織(TEAM FUKUOKA)ができました。
政府の税制優遇に加え、英語で対応できる施設の拡大などとつくり、外国人材の受け入れ環境の整備を検討しています。
日本の課題
言葉
日常で使用しないので、長年の課題である英語でのコミュニケーションが定着しない。
税金
所得税や相続税が他国に比べて高額であり、長期間の定住が期待できない。
収入
金融先進諸外国に比べると給料が安い。特に上位ランクの人々の収入が低いので、日本で働く魅力がない。
教育
世界トップレベルの大学やインターナショナルスクールが少なく、子供を日本の学校に通わせることに不安がある。
まとめ
現状、国際金融センターランキングで大阪は59位、福岡は圏外となっており、アジアトップレベルへの道のりは長いと思われます。
順番としてまずとりかかるのは、税制面での改革になるのではないでしょうか。
所得税を軽減し、シンガポールの様に相続税や贈与税を無くしたりできれば、とても魅力的ですね。
言うは易し行うは難しではありますが、・・・