多くの個人投資家が「投資で失敗した」と嘆く最大の理由は何でしょうか?
それは「自分の感情」に左右され、目先の含み損に耐えられないためです。
私たちには、「得をした嬉しさよりも、損をしたガッカリ感を強く感じる」という心理傾向があります。
※詳しくはプロスペクト理論をご参照下さい。
これは、人間に本来備わっている本能で、危機回避能力とも言えます。
たとえば、あなたの昔の記憶を何でも良いので思い返してください。
パッと頭に浮かぶのは、楽しいことや幸せなことよりむしろ、恥ずかしかったこと、悔しかったこと、悲しかったことなど、なぜか嫌な記憶ほど鮮明に覚えているかと思います。
つまり、投資においても、知らず知らずのうちに危機回避能力が発動することで、損失から逃れようとしているのです。
実は、この現象は医学的な根拠があり、嫌な事、辛い事、危険な事をまた繰り返さないよう、人間の本能の中にしっかり記憶される機能が備わっているためです。
投資で言えば、利益が出た喜びよりも、損失が出た悲しみの方が強烈なインパクトが脳に、そして心理的に負荷を与えます。
すると、人は本能的な危険を察知したとして「損する」ことがわかっていても売却してしまします。
いわゆる「狼狽売り」です。
さらに、「損する」ことを考えるたびに損失の記憶がずっとフラッシュバックして、悔しさを挽回するために理性が吹っ飛んでリスクのある投資に手を出します。
そして、多くの個人投資家は一発退場します。
パチンコ・競馬・競艇などでも勝負に熱くなり過ぎて「あと少しで勝てる!」と追加でお札を機械に吸い込ませる人ほど負ける法則がありますが、感情的になればなるほど儲からないように出来ています。
投資もこのロジックと同じで、「感情を無くす」ことができれば失敗するのを防ぐことになります。
そのため、どんな時であっても感情を無にして機械的に買い続けることができる
「積立投資」が、実はどんな投資法よりも有効なのです。
一般の個人投資家は一部の天才デイトレーダーのように個別株を頻繁にトレードして儲かることはまずあり得ません。
それよりも、重要なのは、「何に」「いつ」投資するかというタイミングより、感情を捨てて淡々と積立を続けていく投資戦略が、多くの個人投資家にとって最適解となります。