今年はコロナ禍による景気の低迷。我々の将来の生活や老後のお金を脅かす話題は、後を絶ちません。
実際、お金のオンライン相談やネット証券の開設などが増え、お金に関する関心が、ここ数年来、いつも以上に高まっています。
老後資金の準備にも応用できることから注目を集めています。本日は、この話題の「4%ルール」について解説します。
4%ルールとは?
みなさんは「FIRE」という言葉を聞いたことがありますか?
「FIRE」とは、Financial Independence, Retire Earlyの略で、「経済的自立」を果たし、「早期リタイア」を実現する人生戦略を意味しています。
「4%ルール」とは、1998年にアメリカのトリニティ大学で発表された資産運用に関する論文で提唱されたことです。具体的には、
- 退職後は年間生活費の25倍の資産を持っておく
- 資産は株式と債券の組み合わせで保有する
- 資産の4%を毎年生活費として引き出す
年間生活費の25倍の資産を所有する
まず、退職後に必要なお金、特に年間の生活費を把握することが必要です。そして、この年間生活費の25倍の資産を退職までに準備しておくということです。
年間の生活費が、下記のような場合、
- 年間200万円
- 年間300万円
- 年間400万円
- 年間500万円
- 年間1,000万円
準備しないといけない資産は下記の通りになります。
- 5,000万円
- 7,500万円
- 1億0000万円
- 1億2,500万円
- 2億5,000万円
老後2,000万円どころの話ではありません。
ただ、この中から、毎月年金の積み立てをしていますので、その分は準備しないといけない資産から引くことができます。
夫婦ふたりで月額年金20万円(年間240万円)の場合、年間生活費が下記の通り場合、準備しないといけない資産は下記の通りとなります。
- 年間200万円⇒1,000万円
- 年間300万円⇒1,500万円
- 年間400万円⇒4,000万円
- 年間500万円⇒6,500万円
- 年間1,000万円⇒1億9,000万円
個々個人のライフスタイルによりますが、上記の生活を送りたいのであれば、退職までに準備する資産額となります。
資産は株式と債券の組み合わせで保有する
こうして貯めたお金は運用しなければいづれ枯渇してしまいます。そのため、枯渇を避けるために、株式・債券などで運用することが必要となってきます。
いわゆる「資産の寿命を延ばす」ことです。
元本に手を付けず、運用益のみで生活費を捻出できれば、資産は永遠になくなりません。それどころか、取り崩すのが4%の対して、運用益が5%だった場合、資産は当初準備した金額より年々増えていきます。
資産の4%を毎年生活費として引き出す
このようにして、株式・債券で運用を続けながら、全体の資産の4%を生活費として、毎年引き出すことができます。
ただ注意点として、元本を必要以上に取り崩さないことが重要です。
また長い運用期間には、金融危機が起こる場合もあります。
その場合は、敢えて、資産を切り崩さず、別で用意しておいた資金から生活資金を調達する方をおすすめします。
市況が悪い時に、一部を解約して引き出すことは、損を確定させていることと同じです。これでは自分のポートフォリオの運用効率を下げてしまいます。
まとめ
4%ルールはどの世代の方でも実践しやすく、地味ではありますが再現性が高いです。
ただ、毎月の生活費が高いかたですと、退職までの資産形成においてハードルが高く、ずっと働かなくてはいけない人生になってしまします。
いわゆる「ラットレース」から抜け出せない状態です。
自分が自分らしい人生を過ごすためには、『何にお金を使い』・『何にお金を使わないか』を自問自答し、トレードオフを行うことが重要です。
参照