個人向け火災保険の値上げが止まりません。
2022年の値上げでは、過去最大の10%程度の上昇が想定されており、改定回数は過去4年間で3回目となります。
平均的にマンションなら年間1,000円ほど、戸建ては年間5,000円程度の負担になりそうです。
契約期間も10年間から5年間へと短縮される見込みです。
6年前の2015年には36年間の長期契約も可能でしたが、ここ数年で大きく状況が変わり、とてもそんな長期保証をできる状況ではなくなりました。
背景には近年の気候変動による自然災害の増加があります。
18~19年度は大型の台風被害が続き、保険金支払いが2年連続で1兆円を超えました。
この時期の年間保険金支払い額は、世界全体の約10%に相当します。
首都圏のタワーマンションへの水害は記憶に新しいかと思います。
改めて日本では災害が多い事が分かります。
各社の火災保険事業の状況は苦しく、収支改善を急ぐことになりそうです。
今後ますます値上げが予想される中、損害保険会社ではデジタルを活用することによって、災害による被害を減らそうとする動きが出てきています。
三井住友海上火災保険株式会社では、「防災ダッシュボード」というサービスを年内にも展開する事を発表しています。
これは、自治体や企業向けに災害時のリスクを事前に洗い出して有事に情報を発信するサービスで、過去の事故データをマッピングして地域ごとの水災リスクを可視化できるメリットがあります。
リアルタイムの降雨データや河川水位のデータを取り込んでおり、危険が迫っている箇所も把握することができます。