大阪国税庁が1日に公表した令和元年分の路線価は、大阪府内の平均変動率が前年度比プラス1.9%となり、6年連続で上昇しました。
税務署ごとの最高路線価は、都市部を中心に24地点で上昇し、7地点が横ばい。下落した地点はなかった。
路線価とは?
不動産の価格を表す言葉はいくつか存在します。
主なものは「路線価」「公示地価」「評価額」「基準地価」などで、ここではこれらの価格のうち路線価について考えてみます。
路線価には「相続税路線価」と「固定資産税路線価」 という2つがあり、それぞれ対応する税金の計算をする時に使うものとなります。
本来、土地は「時価」を計算するのが原則ですが、全ての土地の時価を算出していくのはその数も膨大で時間がかかり、また、いつの時点で測るのかによっても差が出てきてしまいます。
そこで、税務署は道路に値段をつけました。この値段を「路線価」といいます。ここでいう道路とは、不特定多数の人が通行できる公道という意味です。個人の敷地内にあるような私道は考慮しません。この“道路につけた値段“に接している土地の面積を掛けて、土地の相続時の評価としているのです。
大阪市内の主な地点の路線価
特に目立つのがJR新大阪駅周辺。大阪府東部を南北に結ぶ新線「おおさか東線」が3月に全線開業したことなどで利便性が向上し、オフィスやホテルの需要が強まっている。昨年11月に25年国際博覧会(大阪・関西万博)の開催が決まった湾岸部も注目が集まる。
新大阪駅に近い大阪市淀川区宮原3の路線価は、前年比38.9%上昇し150万円。18年分の同11.3%から急拡大した。
おおさか東線の全線開業で奈良方面と結ぶ直通列車が運行したほか、31年春開業予定のなにわ筋線で関西国際空港までのアクセスが改善する。37年にはリニア中央新幹線が名古屋から新大阪まで延伸、46年には北陸新幹線が新大阪まで延伸する計画もある。
大阪・関西万博の開催が決まった大阪ベイエリアも、地下鉄の延伸などを見越し、路線価がじわりと上昇している。大阪市住之江区の人工島、咲洲(さきしま)のコスモスクエア駅前は18年比4.3%増の12万円と、3年ぶりに上昇した。
ここ数年、キタやミナミの土地獲得競争が過熱しており、大阪府・市はカジノを含む統合型リゾート(IR)の夢洲への誘致を目指しています。IRの動向次第で大阪ベイエリアの人気はさらに高まることでしょう。
大阪の不動産は持続可能な発展が見込めることでしょう。