世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2020年1-3月期に18兆円近い運用損を計上しました。
GPIFが3日に発表した資料によると、19年度第4四半期となる20年1-3月期の運用損失は17兆7072億円。収益率はマイナス10.71%と急激に悪化しました。
本題はここからで、マスコミ各社は2019年度の単年度の成績しか報道してくれません。
2001年から始まった運用収益は57.5兆円のプラスとなっております。
2019年度(2019年4月~2020年3月)
収益率 ー5.20%
運用業績は-8.28兆円
保有資産残高は150.6兆円
市場運用開始以降(2001年度~2019年度)
収益率: +2.58%(年率)
収益額: +57.5兆円(累積)
年金運用はプラスの時はなにも報じてくれませんが、マイナスの時は揚げ足をとったように「年金が大損失」というふうに報道されます。
日本で資産運用が定着しない理由として、損失額のみ報道し、国民全体が投資が怖いものと、写ってしまうことです。
コロナショック時に株式はおおよそ35%マイナスとなっているのを比較すると、2019年度の収益率-5.20%は「値動き」はむしろ小さい方だと言えます。
運用実績にしても過去2番目の損失額といっても過去より現在の方が運用残高が増えていますので、この場合、損失額より損失率で伝えるほうがより正しく読み取ることが出来ます。
正しい情報を理解するには、表面的な情報だけでなく、より本質的な部分を知ることが重要です。